男性でも大丈夫?未経験から介護職に挑戦する男性の不安と解消法

「介護の仕事って、やっぱり女性の職場なのかな…」
そんな風に思っている男性の方、多いのではないでしょうか。確かに介護業界は女性が多いイメージがありますが、実は男性介護職員への需要はとても高いんです。
今回は、未経験から介護職に挑戦しようと考えている男性の皆さんの不安を解消しながら、男性介護職員のリアルな現状についてお話ししていきます。
まず知ってほしい、男性介護職員の現状
実は、男性介護職員は3割もいる
「介護職=女性の仕事」というイメージが強いかもしれませんが、データを見てみると意外な事実が分かります。
性別 | 割合 | 人数(10人職場の場合) |
---|---|---|
女性 | 約70% | 7人 |
男性 | 約30% | 3人 |
平成29年度の介護労働実態調査によれば、確かに女性職員が7割以上を占めているものの、男性職員も約3割存在しているんです。
つまり、10人中3人は男性ということ。決して珍しい存在ではないんですね。
しかも、近年は男性介護職員の数が徐々に増加傾向にあります。介護福祉士の資格を取得する男性も着実に増えており、専門性を持った男性介護職員への期待はますます高まっています。
人材不足の今、男性の力が求められている
介護業界全体で深刻な人材不足が続いています。厚生労働省の発表による将来の人材需要を見てみましょう。
年度 | 必要職員数 | 現在からの増員数 |
---|---|---|
現在(2024年) | 約211万人 | – |
2025年度 | 約243万人 | +32万人 |
2040年度 | 約280万人 | +69万人 |
この数字を見ると、今後ますます多くの介護職員が必要になることが分かります。
つまり、男性だからといって敬遠される時代ではなく、むしろ歓迎される時代になっているということですね。
男性が感じがちな不安、実際はどうなの?
男性が介護職を考える時によく聞かれる不安と、実際の現場での状況をまとめてみました。
よくある不安 | 実際の現場 | 解決のポイント |
---|---|---|
女性ばかりの職場で馴染めない | 男性職員を歓迎する施設が多い | 真面目な取り組みが評価される |
女性利用者の身体介護が心配 | 同性介護が基本、配慮あり | 適切な役割分担がされている |
給料が安いのでは | 処遇改善で向上傾向 | 管理職への道でさらにアップ |
それでは、それぞれの不安について詳しく見ていきましょう。
不安その1「女性ばかりの職場で馴染めるかな…」
これは多くの男性が最初に抱く不安だと思います。でも、実際に働いている男性職員の声を聞くと、意外にもこの心配は杞憂に終わることが多いようです。
女性職員からは「力仕事を頼めて助かる」「男性ならではの視点が新鮮」といった好意的な意見が多く聞かれます。むしろ男性職員の存在が職場を活性化させているケースも少なくありません。
職場の人間関係は、性別よりも個人の人柄や仕事への取り組み方で決まることが多いものです。真面目に仕事に取り組んでいれば、自然と受け入れられるはずです。
不安その2「女性利用者の身体介護って、大丈夫?」
入浴介助や排泄介助などの身体介護について、男性が女性利用者にケアを提供することに抵抗を感じる方もいるでしょう。
確かに利用者の性別とケア提供者の性別には配慮が必要です。しかし、現場では適切な役割分担がなされています。
多くの施設では同性介護を基本としつつ、緊急時や人員配置の都合で異性介護を行う場合には、利用者の了承を得る、複数人で対応するなどの配慮をしています。最初から一人で全てを任されることはありませんから、安心してください。
不安その3「介護職って給料が安いって聞くけど…」
これも気になる点ですよね。確かに介護職の給与水準はかつて低いと言われていましたが、近年は処遇改善加算などにより着実に向上しています。
また、男性介護職員は管理職に就くケースが多く、キャリアアップによる給与向上の可能性も十分にあります。長期的な視点で見れば、決して悪くない選択肢だと言えるでしょう。
男性介護職員だからこその強み
男性介護職員が現場で発揮している具体的な強みを整理してみました。
強みの分野 | 具体例 | 利用者への効果 |
---|---|---|
体力面 | 移乗介助、重い物の運搬、緊急時対応 | 安全で負担の少ないケア |
コミュニケーション | 男性利用者との話題共有、昔話 | 心の安定、生活の質向上 |
リーダーシップ | チームまとめ、緊急時判断 | 組織全体のサービス向上 |
やっぱり頼りになる、体力面での活躍
男性介護職員の最も分かりやすい強みは、やはり体力面での優位性です。
移乗介助や車いすでの移動支援、重い物の運搬など、力を必要とする場面では特に重宝されます。
認知症の症状により興奮状態になった利用者への対応でも、男性職員の存在は現場スタッフにとって心強いものです。
ただし、介護は力任せにするものではありません。適切な技術と道具を使うことで、体への負担を最小限に抑えながら安全にケアを提供することが大切です。
利用者との特別な関係性
男性職員は、特に男性利用者との関係構築において独特の強みを発揮します。
「昔の仕事の話で盛り上がる」「共通の趣味について語り合う」など、同性ならではのコミュニケーションが生まれることが多いんです。
意外かもしれませんが、女性利用者にとっても男性職員は特別な存在です。息子さんや亡くなったご主人を思い出させる存在として、親しみやすく感じてもらえることが多いようです。
チームのまとめ役として
介護現場では、緊急時の冷静な判断力やチームをまとめる力が重要視されます。
男性職員は、こうした場面でリーダーシップを発揮し、主任や施設長などの管理職を任されるケースが多い傾向にあります。
もちろん性別だけで決まるものではありませんが、責任ある立場を任される機会は多いと言えるでしょう。
未経験からスタートする人へのアドバイス
まずは資格取得から始めよう
未経験から介護職を目指すなら、段階的な資格取得がおすすめです。
資格名 | 取得期間 | 費用目安 | 就職への効果 |
---|---|---|---|
介護職員初任者研修 | 1-4ヶ月 | 5-15万円 | ★★★★★ |
介護福祉士実務者研修 | 6ヶ月 | 10-20万円 | ★★★★☆ |
介護福祉士 | 3年実務経験後 | 2-5万円 | ★★★★★ |
まずは「介護職員初任者研修」(旧ヘルパー2級)から始めましょう。
この研修では介護の基礎知識と技術を学ぶことができ、多くの施設で採用時の基準となっています。研修期間中に同期の受講生と交流することで、介護業界への理解も深まりますよ。
男性の受講生も決して珍しくないので、同じ立場の仲間と出会えるかもしれません。



職場選びで注意したいポイント
就職先を選ぶ際のチェックポイントを優先度順にまとめました。
チェック項目 | 重要度 | 確認方法 |
---|---|---|
男性職員の在籍状況 | ★★★★★ | 施設見学、面接時に質問 |
研修制度の充実度 | ★★★★☆ | 求人票、公式サイト確認 |
給与・福利厚生 | ★★★★☆ | 求人票、面接時に確認 |
勤務時間・休日 | ★★★☆☆ | 勤務表の確認 |
職場の雰囲気 | ★★★☆☆ | 施設見学、口コミサイト |
男性職員がいるかどうか
既に男性職員が働いている施設なら、男性が働きやすい環境が整っている可能性が高いです。
研修制度は充実している?
未経験者向けの研修プログラムがしっかりしている施設を選べば、安心してスキルアップできます。
将来のキャリアパスは明確?
昇進の道筋や資格取得支援制度が整っている施設では、長期的なキャリア形成が可能です。


最初の1年を乗り切るコツ
介護職の最初の1年は、新しい環境への適応と技術習得で忙しい時期です。
分からないことは遠慮なく質問する 恥ずかしがらずに先輩職員に質問し、積極的にコミュニケーションを取りましょう。
利用者さん一人ひとりを知る努力を 技術的なことだけでなく、利用者さんの個性や好みを理解することに努めてください。これが良いケアにつながります。
体調管理を徹底する 介護職は体力的にハードな面もあります。規則正しい生活と適度な運動を心がけてください。
男性介護職員の将来は明るい
男性介護職員のキャリアパスと将来性を具体的に見てみましょう。
キャリアステップ | 経験年数 | 平均年収目安 | 主な業務内容 |
---|---|---|---|
新人職員 | 0-1年 | 250-300万円 | 基本的な介護業務 |
一般職員 | 1-3年 | 300-350万円 | 担当利用者のケア、後輩指導 |
主任・リーダー | 3-5年 | 350-450万円 | チーム管理、業務調整 |
管理職 | 5年以上 | 450-600万円 | 施設運営、職員管理 |
施設長 | 10年以上 | 500-800万円 | 経営方針決定、対外折衝 |
管理職への道が開けている
男性介護職員は、将来的に管理職に就く確率が比較的高い傾向にあります。
主任、係長、施設長などの管理職として施設運営に携わることで、より大きなやりがいと責任を感じることができるでしょう。
専門性を磨いてスキルアップ
介護福祉士、ケアマネジャー、社会福祉士などの資格取得により、専門性を高めることも可能です。
これらの資格は給与アップにもつながり、長期的なキャリア形成において重要な要素となります。会社によっては資格取得支援制度もあるので、積極的に活用しましょう。
独立・起業という選択肢も
経験と資格を積んだ後には、訪問介護事業所の開設や介護関連のコンサルティング業務など、独立・起業の道も開けています。
介護業界の人材不足は今後も続くと予想されるため、独立して成功する可能性も十分にあるでしょう。

最後に:あなたの力を待っている人がいる
介護職は決して女性だけの仕事ではありません。
男性介護職員は現場で確実に求められており、その存在価値は日々高まっています。
未経験からのスタートであっても、適切な準備と心構えがあれば、必ず充実したキャリアを築くことができます。
超高齢社会を迎える日本において、介護職は社会を支える重要な役割を担っています。
「人の役に立つ仕事がしたい」「安定した職業に就きたい」「やりがいのある仕事を見つけたい」
そう思っている男性の皆さん、介護の世界はあなたの力を必要としています。
最初は不安もあるかもしれません。でも、あなたのケアを待っている利用者さんや、あなたと一緒に働くことを楽しみにしている同僚が、きっといるはずです。
人生の新たなステージとして介護職を選択することは、決して後悔しない選択となるでしょう。
まずは一歩を踏み出してみませんか。介護の世界での新しいキャリアが、あなたを待っています。