介護職の転職でよくある失敗8選!後悔しないためのポイント解説

介護業界での転職を考えている方にとって、新たな職場選びは将来の働きやすさを大きく左右する重要な決断です。
「もっといい条件の職場があるはず」「人間関係に疲れた」「キャリアアップしたい」など、転職を考える理由は様々ですが、希望を胸に新たな一歩を踏み出したものの、「こんなはずじゃなかった…」と後悔するケースも少なくありません。
今回、多くの介護職員1000人の転職相談や施設訪問100件以上の経験を通じて、転職にまつわる様々な経験談を集めてきました。
本記事では、そんな現場の声から見えてきた転職の「あるある失敗談」と、それを防ぐための実践的な対策法をご紹介します。

介護職の転職でよくある失敗を教えて欲しいです。

介護職の転職で失敗したと相談する方も多いので簡単にポイントだけお伝えしますね。
1. 「給料アップ」だけで転職先を決めてしまうケース
多くの介護職員が転職理由としてあげるのが「給与アップ」です。しかし、表面上の月給だけを見て判断すると、思わぬ落とし穴にはまることがあります。
よくある失敗例:
前職より月給3万円アップという条件に惹かれて転職したものの、実際に働き始めると基本給は低く、残業代や夜勤手当を含めた金額だったケース。
労働時間と比較すると実質的な待遇改善になっていなかったという話は珍しくありません。
対策ポイント:
- 基本給と諸手当の内訳を必ず確認する
- 夜勤手当や資格手当などの条件をチェック
- 賞与の実績や支給条件も聞いておく
- 残業時間や夜勤回数など、実際の労働時間も比較
実践アドバイス:
給与明細のサンプルを見せてもらえることもあります。「実際の手取り額はどのくらいですか?」「昨年度の賞与実績はいくらでしたか?」など、具体的な数字で確認することが大切です。
2. 職場の雰囲気を十分に確認せずに入職するケース
どんなに給与条件が良くても、職場の人間関係や雰囲気が合わなければ長続きしません。特に介護現場では、チームワークがケアの質に直結するため、職場環境の確認は重要です。
よくある失敗例:
面接では「アットホームな雰囲気です」と言われたものの、実際は人間関係が複雑でストレスを抱える職場だったというケース。
前職より給与は上がったものの、毎日出勤するのが辛くなり、結果的に短期間で退職してしまうことも少なくありません。
対策ポイント:
- 可能なら職場見学や一日体験を依頼してみる
- 面接時に現場スタッフとも少し話す機会を作る
- スタッフの表情や会話の様子をよく観察する
- 「スタッフの平均勤続年数」「直近の離職率」を質問する
実践アドバイス:
面接時、施設内を案内してもらう際にスタッフへの挨拶や会話の様子を観察すると、職場の雰囲気がわかることがあります。
また、「どんな時にチームで協力し合いますか?」といった質問も有効です。
3. 研修制度や教育体制を確認せずに転職するケース
特に経験が浅い場合や、これまでと異なるタイプの施設へ転職する際には、教育体制の確認が欠かせません。「未経験者歓迎」と書かれていても、実際の研修内容は施設によって大きく異なります。
よくある失敗例:
「未経験者歓迎」と書かれていたので安心して転職したのに、実際はオリエンテーションだけでいきなり現場に放り出されたというケース。
教育担当者もおらず、質問できる環境もないまま、不安を抱えて業務をこなさなければならない状況に陥るケースが報告されています。
対策ポイント:
- 研修期間と具体的な内容を確認する
- プリセプター制度など教育担当者の有無
- マニュアルや研修資料の充実度
- 初めて経験する業務への対応方法
実践アドバイス:
「前回入職した新人スタッフはどのようにして現場に慣れていきましたか?」「業務の疑問点を相談できる体制はどうなっていますか?」と具体的に聞いてみると、リアルな教育体制がわかります。
4. 利用者層や介護方針との相性を考慮しないケース
施設種別や理念によって、求められるケアの内容や利用者層は大きく異なります。自分の経験や志向と施設の特性がマッチしているかどうかは、働きがいに直結します。
よくある失敗例:
特別養護老人ホームでの経験しかなかった介護職員が、リハビリ重視のデイサービスに転職したところ、業務内容や求められるスキルが大きく異なり、自分の強みを活かせないままストレスを感じるというケース。
対策ポイント:
- 施設の介護理念や方針を確認する
- 利用者の平均介護度や特性を把握する
- 自分の強みや興味が活かせる職場か検討する
- 特色あるケア(認知症ケア、リハビリ等)の内容を聞く
実践アドバイス:
「この施設ならではのケアの特徴は何ですか?」「どのような価値観を大切にしていますか?」と質問してみましょう。
答えが曖昧な場合は、施設の方向性が定まっていない可能性もあります。

5. 労働条件や福利厚生を詳しく確認しないケース
給与以外の労働条件も、長く働き続けられるかどうかを左右する重要な要素です。特にシフトや休暇取得の実態は、プライベートとの両立に大きく影響します。
よくある失敗例:
シフト制と聞いていたものの、実際は慢性的な人手不足で希望休が取れず、有給休暇も取得しづらい雰囲気だったというケース。
家庭との両立を考えて転職したのに、かえって生活が苦しくなるケースも報告されています。
対策ポイント:
- シフト作成のルールや希望休の取得率
- 有給休暇の平均取得日数
- 残業の実態や休憩時間の確保状況
- 育児や介護との両立支援制度
実践アドバイス:
「昨年の有給休暇取得率はどのくらいですか?」「どのようにワークライフバランスを支援していますか?」と具体的に質問しましょう。数値で答えられない場合は要注意です。
6. 労働条件通知書と実態が違うケース
口頭での説明と実際の勤務条件が異なるケースも少なくありません。労働条件通知書の内容と実態の乖離は、入職後の大きな失望につながります。
よくある失敗例:
労働条件通知書には「固定残業なし」「完全週休2日制」と記載されていたにもかかわらず、入職後は「みんな残業してるから」「人手不足だから休めない」と言われるケース。契約内容と現実のギャップに驚き、早期退職に至るケースも多いです。
対策ポイント:
- 労働条件通知書の内容を細かくチェック
- 曖昧な表現や不明点は必ず質問する
- 採用担当者と現場責任者の説明に矛盾がないか確認
- 可能なら現場スタッフにも実態を聞いてみる
実践アドバイス:
「残業時間の平均は月どれくらいですか?」「休日出勤の頻度はどうですか?」など、具体的な数字で回答してもらうと実態が見えてきます。口約束は必ずメモを取っておきましょう。
7. 面接担当者の人柄だけで判断してしまうケース
面接担当者と実際に現場で指導にあたる上司が異なるケースは多々あります。面接時の印象だけで判断すると、入職後のギャップに苦しむことになりかねません。
よくある失敗例:
面接担当の施設長がとても優しく、すぐに採用が決まって喜んだものの、入職後はその施設長とほとんど接する機会がなく、実際の上司は全く異なる指導スタイルだったというケース。
対策ポイント:
- 実際に一緒に働く上司やリーダーにも会えるよう依頼する
- 採用がスムーズすぎる場合は、人手不足の可能性を考慮
- 直属の上司のマネジメントスタイルについて質問する
- 可能であれば現場見学で実際の雰囲気を確認する
実践アドバイス:
「現場のリーダーや主任はどのような方ですか?」「日々の業務の相談はどなたにすればよいですか?」と質問し、実際の指示系統を確認しましょう。
8. 転職エージェントの情報を鵜呑みにするケース
転職エージェントは便利なサービスですが、時に施設の良い面だけを強調して紹介することもあります。複数の情報源から施設の評判を確認することが重要です。
よくある失敗例:
エージェントからは「残業ほぼなし」「人間関係バッチリ」と聞いていたのに、実際はそうではなかったというケース。
後から調べると、そのエージェントの紹介で入職した人の多くが短期間で退職していたというケースも報告されています。
対策ポイント:
- 複数のエージェントを比較利用する
- 同じ施設の情報が異なる場合は要注意
- エージェントの言葉だけでなく自分でも情報収集する
- 「この施設の改善すべき点は?」と率直に聞いてみる
- 紹介実績や定着率についても確認する
実践アドバイス:
優良なエージェントは施設の良い面だけでなく課題も正直に伝えてくれるものです。
「この施設の改善点や課題は何ですか?」と質問して、誠実な回答があるかチェックしましょう。
まとめ:失敗しない転職のための10のチェックリスト
介護職の転職を成功させるために、以下のポイントを必ず確認しましょう:
- 給与条件の詳細:基本給・手当・賞与の内訳と実績
- 職場の雰囲気:スタッフの様子、コミュニケーション、離職率
- 教育・研修体制:新人教育の具体的内容とサポート体制
- 介護方針との相性:理念、利用者層、ケアの特色と自分の価値観
- 労働環境の実態:シフト、休暇取得状況、ワークライフバランス
- 労働条件通知書の確認:契約内容と実態の一致を確認
- 直属の上司に会う:実際に指導する人の人柄やスタイルを確認
- 複数の情報源を活用:エージェント情報だけでなく口コミも調査
- 施設形態の特性理解:自分の経験や志向との相性を検討
- 見学・体験の実施:可能な限り実際の職場を体感する
転職は人生の大きな決断です。焦らず、十分な情報収集と比較検討を行い、自分に合った職場を見つけましょう。
また、転職エージェントを活用する場合は、介護職専門のエージェントを複数利用して情報を比較することをおすすめします。一社だけの情報を鵜呑みにせず、自分の目と耳で確かめることが大切です。
介護職員の転職体験談
- Aさん(40代・介護福祉士)
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「給料アップ!」という条件だけで転職したら、残業代込みの金額で実質ダウンでした。今は給与明細のサンプルを必ず確認しています。
- Bさん(30代・ケアマネジャー)
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転職エージェントが「人間関係バッチリ」と言っていた施設、実は1年で半数のスタッフが入れ替わるような職場でした。今思えば、面接時に現場スタッフの表情がみんな硬かったのが赤信号だったかも。
- Cさん(20代・初任者研修修了)
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特養から小規模多機能に転職したら、業務内容が全く違って戸惑いました。事前に一日体験をしておけばよかったです。施設形態によってこんなに違うとは思いませんでした。
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