介護の仕事に興味があるけれど、どの施設で働けばいいのか分からない……そんな悩みを抱えていませんか?
介護施設には、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護医療院など、さまざまな種類があります。それぞれの施設には特徴があり、仕事内容も異なります。
今回は、介護職を目指す方のために、代表的な介護施設の種類や特徴、仕事内容を分かりやすく解説します!
介護施設の基本的な分類
介護施設は大きく分けると次の3つに分類されます:
- 入居施設:利用者が24時間生活する施設
- 通所施設:日中のみ利用する「デイサービス」などの施設
- 訪問介護:利用者の自宅に訪問してサービスを提供
今回は特に求人が多く、働き方の選択肢が広い「入居施設」に焦点を当てて詳しく解説します。
介護経験があっても、実際に介護施設の形態によって、働き方が違うので覚えておきましょう。
公的施設と民間施設の違い
公的施設
- 運営者: 地方自治体、社会福祉法人、医療法人
- 施設例: 特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院
- 特徴:
- 介護保険適用で利用料が比較的安い
- 人気が高く入居待ちになることが多い
- 安定した運営基盤と公的サポートがある
民間施設
- 運営者: 民間企業、NPO法人など
- 施設例: 有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホーム
- 特徴:
- 初期費用・利用料は比較的高め
- 入居のハードルが低く、すぐに入居できることが多い
- サービス内容が充実している施設が多い
公的施設の種類と特徴
特別養護老人ホーム(特養)
こんな施設です
- 要介護3以上の方が入居対象(要介護1〜2は特例あり)
- 介護保険適用で月額10〜15万円程度が一般的
- 終の棲家として看取りケアも行う
- 待機者が多く、入居までに時間がかかることが多い
仕事内容
- 食事、入浴、排泄など日常生活の全般的な支援
- 機能訓練のサポート
- 療養上のケア(医療スタッフと連携)
- 入所者の意思と人格を尊重したサービス提供
働くメリット
- 総合的な介護スキルが身につく
- 他の施設より給与水準が比較的高め(介護職平均月給25〜30万円程度)
- キャリアパスが明確(主任、ユニットリーダーなど)
- 正社員として安定した雇用
💡 ユニット型特養が増えています。これは10人以下の少人数グループを生活単位として区分けし、よりきめ細かいケアを提供する形態です。従来型と比較して、入居者一人ひとりに合ったケアが可能になります。
介護老人保健施設(老健)
こんな施設です
- 病院と在宅の中間施設として位置づけられる
- 在宅復帰を目指す一時的な滞在施設(3〜6ヶ月程度)
- リハビリテーションに力を入れている
- 医師や看護師が常駐している
仕事内容
- 自立をサポートする介護
- リハビリテーションの補助
- 在宅復帰に向けた生活訓練のサポート
- 家族への介護指導
働くメリット
- 医療やリハビリの知識が身につく
- 在宅復帰という明確な目標があり達成感が得られる
- 理学療法士や作業療法士などの専門職と連携できる
- 比較的要介護度が低い方が多く、身体的負担が軽減される
介護医療院
こんな施設です
- 2018年4月に創設された比較的新しい施設
- 長期的な医療と介護の両方を必要とする方向け
- 医療ニーズの高い要介護者に対応
- 看取りケアやターミナルケアも提供
仕事内容
- 長期療養者への生活支援
- 医療的ケアのサポート(痰の吸引、経管栄養など)
- 入所者の意思を尊重したサービス提供
- 多職種との連携業務
働くメリット
- 医療と介護の両方の知識とスキルが身につく
- 医師、看護師など多職種との連携でコミュニケーション能力が向上
- 将来のキャリアアップに役立つ専門的な経験ができる
- 医療的ケアに関する資格取得のサポートが充実していることが多い
民間施設の種類と特徴
介護付き有料老人ホーム
こんな施設です
- 本格的な介護と生活支援を提供
- 24時間スタッフが常駐している
- 看護やリハビリも必要に応じて提供
- 設備やサービスが充実している施設が多い
仕事内容
- 食事、入浴、排泄など日常生活全般の介護
- レクリエーションの企画・運営
- 多岐にわたるサービス提供
- 高級施設では高いレベルの接遇も求められる
働くメリット
- 福利厚生が充実していることが多い
- 接遇スキルが向上する
- 幅広いサービス提供を経験できる
- 民間ならではの柔軟な働き方ができることが多い
住宅型有料老人ホーム
こんな施設です
- 「住まい」としての機能が中心
- 自立から一定の要介護度まで幅広く受け入れ
- イベントやレクリエーションが充実していることが多い
- 入居者同士のコミュニケーションを重視
- 施設内の訪問介護
仕事内容
- 主に生活支援サービスの提供
- 外部の介護サービスとの連携・調整
- 入居者同士のコミュニケーション促進
- イベントやレクリエーションの企画・運営
働くメリット
- 身体的な介護負担が比較的軽い
- 入居期間が長い方が多く、長期的な関係を築ける
- レクリエーションなどの企画力が身につく
- 介護以外のホスピタリティスキルも磨ける
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
こんな施設です
- 2011年に創設された比較的新しい住宅形態
- 住宅として位置づけられ、生活の自由度が高い
- 外出や外泊が自由にできる
- 一般型と介護型の2種類がある
仕事内容
- 安否確認や生活相談(必須サービス)
- 一般型:外部サービス利用の調整・サポート
- 介護型:施設内スタッフによる介護サービス提供
- 入居者の自立した生活のサポート
働くメリット
- 身体介護が少なく身体的負担が軽い
- 柔軟な対応力が身につく
- 入居者の生活リズムに合わせた業務が可能
- コーディネーション能力が向上する
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
こんな施設です
- 認知症の方が5〜9名の少人数で共同生活
- 家庭的な環境で専門的ケアを提供
- 能力に応じた役割分担を重視
- 地域との交流を大切にしている
仕事内容
- 認知症ケアの専門的アプローチ
- 見守りながらの自立支援
- 家事(調理、掃除、洗濯など)を含めた生活支援
- 入居者の残存機能を活かした活動のサポート
働くメリット
- 少人数制で入居者との距離が近く、深い関わりができる
- 認知症ケアの専門知識とスキルが得られる
- 身体介護が比較的少なく身体的負担が軽減される
- アットホームな職場環境が多い
まとめ|施設形態によって働き方は様々
介護施設によって働き方は様々です。あなたに合った職場を見つけるためには、正確な情報と適切なアドバイスが必要です。
もし、介護業界での転職や就職に関する質問があれば、LINEでお気軽にご相談ください。
LINE無料相談を実施しています。
ABOUT ME
介護・福祉業界の転職事情に詳しいキャリアコンサルタント。介護職向けに仕事術×転職成功の秘訣を、やさしく・わかりやすく発信。国家資格キャリアコンサルタント保有。介護・福祉業界が得意領域。相談実績300名超。施設訪問数100件以上。あなたの“働く”が、もっと輝くように